Archive for 3月, 2013

「和(なごみ)」の営業開始日(4月12日)まであと2週間となりました。お食事、イベント(4月13日(土)-落語会「桂治門独演会」、4月14日(日)-音楽物語「天マデトドケ-宮本秀彦」)共、まだお席がございます。ご予約お待ちしております。ご予約は、info@nagomi-itasoba.comまで。

古民家再生をライフワークとする村上満氏によりますと、昔の建物は、「完成すると崩れる」というジンクスがあり、その為、建物のどこかに「未完成」の部分を残しておくそうです。

「和(なごみ)」の再生に携わった今は亡き棟梁は、この「未完成」の部分を洗面台に残してくれました。下記の写真の様に、洗面台の木造作が、墨つぼの跡そのまま残されております。私はこの未完成の洗面台が、何とも言えず気に入っております。

又、屋根の塗装工事も途中の様に見えますが、この吊り下げ足場やペンキの缶が、外装の一部として調和しているようで、あえてこのままにしておいて頂ける様、お願いしました。

「未完成」の美とでも言えましょうか・・・。

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「和(なごみ)」を営業する古民家は、古民家再生をライフワークとする村上氏と今は亡き棟梁を中心としたグループが6年の月日をかけて完全再生した、築130年を超える農家古民家です。ここには、色んな物語があり、私が村上氏や近隣の方々からお聞きしたお話を少しずつご紹介いたします。

「和(なごみ)」の和室の囲炉裏には、写真の珍しい形の自在鉤が目に付きます。この自在鉤は、根っこまでついた竹の支柱と大きな鯛の木彫りの横木、そして木の根をそのまま利用した鉤で構成されています。これらは、「和(なごみ)」古民家の再生の中心人物の一人であった、亡き棟梁の作品です。目に付く素晴らしい鯛の横木だけでなく、竹の支柱には根っこの上部だけでなく、根っこの中心部の一部まで残した、棟梁のこだわりが見られます。また、この支柱には、棟梁の手彫りの松が残されています(写真)。棟梁の卓越した才能と技が垣間見られる素晴らしい作品です。