Archive for the ‘トピックス’ Category

誠に勝手ながら、3月2日(水)から3月10日(木)の間、お休みさせて頂きます。

尚、3月11日(金)から通常通り営業致しますので、よろしくお願いいたします。

臨時休業 平成28年3月

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平成28年2月

SW期間の営業日は、下記の通りでございます。

皆様のお越しをお待ちしております。

混み合う事が予想されますので、ご予約をお願いいたします。

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SW9月の営業2015

お盆期間の営業日は、下記の通りとさせて頂きます。

混み合う事が予想されますので、ご予約をお願いいたします。

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お盆の営業2015

お盆期間の営業日は、下記の通りとさせて頂きます。

混み合う事が予想されますので、ご予約をお願いいたします。

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お盆の営業

この所、真夏日が続いておりますが、皆様、体調には十分にお気を付けください。

さて、今回は「庄内由来の調度類」と題して、山形県庄内地方より運んできました調度類をご紹介致します。ご存じの方もおられるかも知れませんが、店主の妻の親元地は、「庄内地方」と呼ばれている山形県酒田市です。ここは江戸時代に北前船で栄えた港町で、古くから商人の町として有名でした。昭和時代にはNHKの朝ドラ「おしん」の里として、また最近では、アカデミー賞受賞作品「おくりびと」の撮影が行われたり、また、庄内映画村では、数々の名作映画が撮られたりしております。

又、米どころ、酒どころとしても有名で、数々の名米・名酒があり、これらの農耕方法、醸造方法は、代々受け継がれております。

店主の妻の親元本家も納屋と蔵のある農家です。この蔵に眠っていたいくつかの調度類をお借りして、和(なごみ)の店内に置いております。

 

①     庄内箪笥と祖母の鏡台

縁側手前と床の間の横にある黒塗りの箪笥が、庄内箪笥です。庄内箪笥は、箪笥中央にある大きな鍵の金細工が有名です。店主の妻の親元本家も納屋と蔵にあった庄内箪笥は、残念ながらこの金細工のかんぬきがなくなっておりましたが、その他の手打ち金細工は、多少錆びてはいるものの、そのまま残っておりました。

縁側手前の庄内箪笥の上に載せています鏡台は、明治生まれの店主の妻の祖母の嫁入り道具でした。

庄内箪笥

②     庄内長持とおひつ

大テーブルの間の縁側手前には、庄内長持とおひつが飾られています。長持はこの小さなものと、もうひとつ長さが4m程のとても大きなものがありました。この大きな長持は、置き場所の都合上、持ってくる事はできませんでしたが、昔はお布団を入れていたそうです。

庄内地方のおひつは独特な形をしております。私は、てっきり野菜や魚を一時的に入れる入れものだと思っておりましたが、これに炊き上がりのごはんを移して保存に使っていたと聞き、驚きました。

庄内長持

③     もうひとつのおひつ

北縁側の棚の上にもうひとつおひつを飾っています。南縁側のものにくらべて、やや小ぶりです。この小ぶりのおひつは赤飯用、もうひとつのものは白飯用だそうです。

おひつ

近畿地方は、昨日(5月28日)に梅雨入りが告げられましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

今回から数回にわたって、「和(なごみ)」の店内に飾って(置いて?)いる、昔の調度類を簡単な説明をつけて紹介いたします。

今回は、玄関にあります農機具をいくつか紹介いたします。

 

①     唐箕(とうみ)

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玄関に入られてすぐ右手にあります大きな木製の道具が、唐箕(とうみ)です。唐箕(とうみ)とは、収穫した穀物を脱穀(だっこく)した後、籾殻(もみがら)や藁屑を風によって選別する農具である。脱穀(だっこく)とは、収穫した穀類(イネ、ムギ、ダイズ、アズキ、アワ、ヒエ、ゴマなど)を茎からはずすことです。イネの場合、稲扱き(いねこき)ともいう。 脱穀に続く、籾殻(もみがら)をはずす作業を脱稃(だっぷ)と呼び、脱稃(だっぷ)を含めて脱穀(だっこく)ということもあります。

この一連の工程を整理しますと次の様になります。

工程:      使用する農機具:

脱穀(だっこく) 扱箸(こきばし)(昔)、千歯こき(江戸〜)、脱穀機(大正〜)

脱稃(だっぷ)  土臼(昔)、籾すり機(昭和〜)

選別       唐箕(とうみ)

基本的な使い方は、左手で唐箕の上部に配した漏斗から少しずつ穀物を落下させながら、クランク状のハンドルを右手で回転させることで風車を回転させ、風車の風を横から送って藁屑などの軽いものを吹き飛ばします。

上手に選別を行うには、風車の回転数と落下させる流量の調整にある程度の熟練を必要とする様です。

 

②     千歯(せんば)こき

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唐箕(とうみ)の横の足元にあるのが、千歯(せんば)こきです。

唐箕(とうみ)の所で少し説明しました通り、千歯(せんば)こきは、収穫した穀類(イネ、ムギ、ダイズ、アズキ、アワ、ヒエ、ゴマなど)を茎からはずす、脱穀(だっこく)の工程に使われた農具です。

木製の台に付属した足置きを踏んで体重で固定し、櫛状の歯の部分に刈り取った稲や麦の束を振りかぶって叩きつけ、引いて梳(す)き取ります。稲の場合は、これで穂から籾が落ちるので、脱穀が完了します。麦の場合には穂が首から折れて穂のまま落ちるので、これをさらに叩いて脱穀します。

この千歯(せんば)こきは、店主の本家(北平野)にあったものをお借りしてきたのですが、残念ながら木の脚が1本折れていたので、「和(なごみ)」の納屋にあった木材を切ってあてがいました。この時、木材の色合いを本体と合わすために、本返し(蕎麦汁(そばつゆ)に使われる調味料)を何回も木材に塗りました。

 

③     毛羽取機

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玄関入って左手の畳の上り間に、2台の「毛羽取器」が置いてあります。そのうちの1台が写真のもので、「報國ベルト式セーコー號」というプレートがついています。

これらの「毛羽取器」は、「和(なごみ)」の納屋にあったものですが、正直に言って、私は、誰が何のためにどうやって使っていたか知りません。「和(なごみ)」の建物のオーナーさんもご存じではありません。

「関ケ原町歴史民俗資料館」のホームページには、「毛羽取器」の使用例のイラストがあり、「蚕が繭(まゆ)を作る時、簇(まぶし)に足場となる糸を吐きます。その糸が毛羽となって繭どうしが絡まらないように毛羽取り機を使用しました。」との説明があります。「和(なごみ)」にある手動式のものは、大正時代に使われたそうです。

この「毛羽取器」についてよくご存じの方がおられましたら、是非教えて下さい。

毛羽取イラスト

GW期間中は、沢山のお客様にお越し頂き、誠にありがとうございました。

又、多くのお客様には、満席の為、予約をお取りできなかったり、お店にお入り頂けなかった事をお詫び致します。

 

「和(なごみ)」のある姫路市林田町大堤地区は、自然豊かな山里です。日の出とともに元気な鶯が鳴き始め、新緑が陽の光に眩しく輝きます。

「和(なごみ)」のお店の周りにも色んな5月の花が咲いており、それらを少し紹介いたします。

スズラン:

庭先の瓦で作った花壇に、スズランが沢山の白い花をつけました。

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シャガ:

店裏の石垣で、シャガが可憐な花を咲かせています。目立たない場所だけに、かえって美しく感じます。

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ラベンダーと山藤:

これまた店裏の日当たりのいい石垣で、ラベンダーの青紫の花が咲き乱れています。又、裏山の山藤も丁度見ごろで、お店から裏山を眺めると、ラベンダーの青紫の花と山藤の紫の花が、新緑と青空に映えてとても綺麗です。

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お店にお越しの際は、お店周辺を散策して頂き、大堤の自然をお楽しみください。

「和(なごみ)」の営業開始日(4月12日)まであと2週間となりました。お食事、イベント(4月13日(土)-落語会「桂治門独演会」、4月14日(日)-音楽物語「天マデトドケ-宮本秀彦」)共、まだお席がございます。ご予約お待ちしております。ご予約は、info@nagomi-itasoba.comまで。

古民家再生をライフワークとする村上満氏によりますと、昔の建物は、「完成すると崩れる」というジンクスがあり、その為、建物のどこかに「未完成」の部分を残しておくそうです。

「和(なごみ)」の再生に携わった今は亡き棟梁は、この「未完成」の部分を洗面台に残してくれました。下記の写真の様に、洗面台の木造作が、墨つぼの跡そのまま残されております。私はこの未完成の洗面台が、何とも言えず気に入っております。

又、屋根の塗装工事も途中の様に見えますが、この吊り下げ足場やペンキの缶が、外装の一部として調和しているようで、あえてこのままにしておいて頂ける様、お願いしました。

「未完成」の美とでも言えましょうか・・・。

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「和(なごみ)」を営業する古民家は、古民家再生をライフワークとする村上氏と今は亡き棟梁を中心としたグループが6年の月日をかけて完全再生した、築130年を超える農家古民家です。ここには、色んな物語があり、私が村上氏や近隣の方々からお聞きしたお話を少しずつご紹介いたします。

「和(なごみ)」の和室の囲炉裏には、写真の珍しい形の自在鉤が目に付きます。この自在鉤は、根っこまでついた竹の支柱と大きな鯛の木彫りの横木、そして木の根をそのまま利用した鉤で構成されています。これらは、「和(なごみ)」古民家の再生の中心人物の一人であった、亡き棟梁の作品です。目に付く素晴らしい鯛の横木だけでなく、竹の支柱には根っこの上部だけでなく、根っこの中心部の一部まで残した、棟梁のこだわりが見られます。また、この支柱には、棟梁の手彫りの松が残されています(写真)。棟梁の卓越した才能と技が垣間見られる素晴らしい作品です。